日記
父は音楽が好きで、実家のリビングではたいてい音楽がかかっている。ジャズが多い。
実家を出たあとは自分の好きな音楽をきいているので、ジャズはあまりきかない。しかし、実家できいてたあの音楽ききたいなって気分のときもある。若い時に聞いた音楽は自分の趣味に関係なく聴きたくなる時があることを、おじさんになってから気づいた僕だ。
その、久しぶりに実家でよく聴いてたあの曲ききたいなという曲の中で、ほんとうは外国語の曲なんだけど、空耳で「多摩霊園、多摩霊園〜」と聞こえる曲があって、父がよくそのとおりに歌っていたあの曲、なんだっけなー??と思って、家族に「あの多摩霊園、多摩霊園って曲って曲名なんだっけ?」ときいたら、弟が、「多摩霊園のCMソングでしょ。」と言った。
弟は父が歌ってるのしか聞いてなかったので、ほんとうに多摩霊園と歌っている曲だと思っていたのだ。勘違いしたままずっと生きてきたの、面白いなと思った。
ちなみに正解は、ミルトン・ナシメントのcadeという曲でした。
ぼくもきっといまだに勘違いしてることとか、なにかあるんだと思う。この先、その勘違いが訂正されず、勘違いしたまま死んでいくようなこともあるだろう。
そういえば昔、親戚が「バブルがはじける」というのを「バルブがはじける」と言っていた。その場にいた人が誰も訂正しなかったので、その後もそう言い続けているかもしれない。その人の頭の中では、ずっと、水道管が破裂するようなイメージになっているんだろう。